発明や機能を旗印に掲げ、これを進歩であると自負してきた人類の歴史。新たなものを産み出しては覇権を握り、これが基準であると人々の心に植え付けてきた。これからも人類はAIをはじめとするテクニカルかつメカニカルな参謀を船頭として遡上し続けるのだろう。
いつの時代においても、先進性を念頭において、それをかなえたものが進歩と信じてきた。今、思うにこれも限界を超え、すでにリバースしてしまったように見えてきた。人間の幸福感は、かつては先進性にあふれた産物と並行して存在していたものが、いつしか分岐をはじめ、幸福感と結びつかないものになったようだ。それでも「便利」だから「幸福」だと裏返し、無機質で物質的なものを精神性と置き換えて、自分自身に言い聞かせている気がしてならないのだ。この狭間を丁寧に繋ぎ、埋めていくことがのぞましいが、つながらないところまで離れてしまった両者を無理にこじつけてつないだところで無意味なことは明らかだ。
人の幸福感や豊かさを、金銭的な経済で量ることが一般的となった現代。もう一度、きちんと振り返り、人と人との繋がりの中に、そして人と自然の繋がりの中に、幸福感を得られる世の中へとむけて舵をきらねばなるまい。地球規模で‥‥。
2025/02/20