Vol.7 「なんだかなぁ」って思うこと

 「なんだかなぁ」って思うこと

①「少人数制」・「習熟度別」授業
 少人数には少人数の利点があるだろうし、習熟度別にも利点はあるだろう。世の流れとしては、習熟度別なら当然ひとクラスが少人数になることが必至であるから同義のものとして認識させられる傾向ともいえる。
 しかし、教科によっては「少人数」であることが望ましいが、「習熟度別」はそぐわない英語や「習熟度別」であることが望ましく、結果「少人数」となっている数学が本校には存在する。
 乱暴に言えば、「少人数やるくらいなら30人学級、25人学級にすればいいじゃん」と思える。予算の関係?か、なかなか人手を増やす方向にはむかないのが現状である。だが、ここにも我々職員の何とも言えぬジレンマが見え隠れする。ひとクラスが30人以下となったとき、クラスがその姿を留められるのか?運動会のムカデは?合唱祭は?クラスがクラスとしての機能を果たせなくなるかもしれない。
 こう考えるとクラスの少人数化にたしかに懸念をもつ人もいるわけだ。でもこの状況はお上にとっては好都合。「少人数の効果を望める教科で2クラス3展開でやればいいだけのこと。クラスそのものの人数を少なくしたら、行事等でも困るでしょ!?」という言い訳を与えてしまいかねない。これがジレンマ。
 ホームルームがない中学校が町田にある。もはや学級としての機能がはじめから割愛された状態である。「クラスの機能も少人数もどっちも保って何とかせいよ!」といいたげなお上の顔がムカついてならない。 多くの職員が苦労して更なる不自由を背負って行われている「少人数・習熟度別」。忙しさと煩わしさを超せる成果を得られると思っているのだろうか。「少人数」という聞こえの良い言葉でだまくらかして、「少人数」という形態をちゃんとやっているという実績だけを重視する姿勢。あぁ、「なんだかなぁ」って思いません?

②働き方改革?
 働き方改革の法案衆議院通過を受けてか、不穏な空気が流れ聞こえてきた。
 8月13日~15日を全職員半ば強制的に休暇をとらせる考えが市教委か校長会か知らぬがあるようだ。
 そんな形でしか職員の負担を軽減する方法を編み出せないのかと情けなくなる。お上に忖度する形で「学校現場はこのようにしております。」と、形だけを残したいのが見え見えである。教職員の負担軽減にむけ中身のある施策を講じてはくれぬのか。そういえば、新たな試みとして市が設けた希望制のスクールサポートなんチャラ。本校にも来ており、彼女はよくやってくれている。彼女に何の文句をつけるつもりはない。ただ、単なる「事務手伝い」としてしか存在価値が与えられていない彼女がかわいそうでならない。教育職に就く希望があるのなら、授業も見たいだろうし、生徒とも関わりたいだろうし‥‥。
 ちゃんとした形を作ることなく、複雑・煩雑化の様相を呈すだけで、金も心もかけぬ急ごしらえのバラックのごとき安き施策で「ちゃんとやってますよ」と言ってしまおうとする安直さ。

 ためいきしかでない。
 「なんだかなぁ!?」

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