ーその場限りの処方箋ー
人類が積み上げてきたものは、「その場限りの処方箋」というべきものかもしれない。根源に帰ることなく流布される多くの方策や理論は、その時世で効果のあった〔言い方を変えると「勝ちを治めた」〕ものであろう。これらはやがて、ひとつの成功例という「型」へと昇華し、迷信・伝統・格言として残する。根源として正しく美しかったものでも汚れたものをかぶった「型」へと変貌する。人間は、その「型」をふりかえり、役立てようとはするが、根源にある「精神」まで遡ることはほとんどない。口先では「これが伝統だ」「これが理念だ」とのたまうが、その実、「型」となった既成の論理をなぞるだけとなる。「型」を揺るがぬ盾としてすすめるのである。「精神」が省かれた「型」の乱立する社会、「型」として受け継がれるイベントの精神性の薄さや世界の政治の様相も同じに見える。もちろん、教育も同じ土俵にいるのだ。
本質を見つめる目、本質たるものを生み出す心を、人間らしさをまとった精神で、ゼロベースから組み上げていかねばなるまい。その場限りとならない、変に悪用されない理論として……。
謎を謎と感じる心
ほのぼの研究室
-
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報